14.なまはげダイバー



2005年に製作し、その年の暮れに男鹿水族館GAOでデビューした「なまはげダイバー」の画像です。
スーツは秋田市のダイビングショップが担当しましたが、この仮面はLoneStarで作ったものです。
2005年春、男鹿水族館は魅力あるイベントを模索していた時期で、この「なまはげダイバー」も
アイデアの一つでした。公開は未定ながらとにかく着手することになり、私自信ダイバーであった
ことからこの仕事を受けることになりました。

 仮面のデザインは子供が怖がらないように少々デフォ
 ルメされたものに決定され、これをもとに自分が立体化
 することになりました。とはいえ基本的な機能性も両立
 しなければならないので簡単ではありません。
  まず、水中で呼吸するためのレギュレーターと水中
 メガネを装着した上から被ることになります。頭部は
 既製品の防護ヘルメットを利用することにしましたが、
 水中でのマスククリヤ(水中メガネ内部に浸入した水を
 排出する動作)を可能にするために仮面をバイザーの
 ようにはね上げることができるようにしました。






  ということでヘルメットとレギュレーターと水中メガネを
 装着した自分の顔を撮影し、これにデザイン画を重ねて
 みました。これで仮面を立体的に把握することができ
 ました。また、完成品がデザイン画よりも細身の顔に
 ならざるを得ないということも判明しました。



















  次に試作品の製作となるのですが、実際にヘルメットと
 組み合わせて問題なく被れるか検証する役目があります。 
 また、デザインの審査を受ける役目もありますのでいい
 加減に作るわけにはいきません。ただし、材質は紙や
 紙粘土といったもので作りました。






  試作品にいくつかの修正を加えて審査をパスさせ、いよ
 いよFRPの製作となります。試作品を分解し、これを
 原型にして石膏型をとります。








  これにガラス繊維と樹脂を積層、硬化させて複製品を
 作ります。取り出した複製品はバリだらけだし、表面も
 ザラザラデコボコなのでパテ→ヤスリ→サーフェイサーの
 工程を3回繰り返して下地を整えました。







  ベースホワイトの下塗りのあと赤ペイントをハケ塗りし、
 よく乾燥させます。 









  牙を白で塗装し、目の部分にアルミパンチングメタルを
 はめ込みます。髪の毛は水中で漂わないようにゴム板を使用
 します。 








  角はシリコンゴム型で複製したレジンでできています。
 最後にヘルメットにステンレスボルト2本で結合させれば
 完成となります。








 これを納品したのが5月で、諸事情で公開が年末になってしまったのですが、ショーそのものは
大変好評で、自分も含め関係者の方々も大満足のようです。


              
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