XB-70  1/300 アカデミー 2002年04月08日完成


This is an Academy's(ex.Sunny) 1/300 XB-70 model. The original kit was sold in 70's Japan.

It was very simple and small kit. But I had an ambition the making movable wing model.

Small motor and battery are inside the base box. A steal rod inside the prop conducts the power.

This page shows how to swing outer wing. This model became very fantastic desk top model.


 まず、実機の解説から。
 XB-70の開発が始まった1950年代の核戦略は敵地の上空まで爆撃機を侵攻させ、核爆弾を
投下後ダッシュで引き返すというものでした。 そのころはソ連の地対空ミサイルも未熟で、
迎撃機のMiG-19や-21もマッハ2程度の最大速度だったので、戦略爆撃機のコンセプトは
高高度を超高速で飛行する航続距離の長い機体が求められました。 これに対してノースアメ
リカン社は圧縮揚力というアイデアで高度18000mでマッハ3の最大スピードを発揮し、11,000km
の航続距離を実現できると回答しました。 これがXB-70バルキリーだったのです。 しかし
本機が初飛行した1964年はすでにソ連の対空ミサイル防御網は整備され、XB-70の性能でもソ連
の都市を爆撃するのは不可能となっていました。 しかもB-52のように超低空侵攻、通常爆弾
搭載への柔軟な切り替えも不可能であったため、XB-70は初飛行前に高速研究機プロジェクト
にされてしまったのです。 しかも2機作られたXB-70の2号機は一緒に飛行していたF-104
と接触事故を起こして墜落してしまうという悲劇的な運命をたどりました。 残った1号機は
その後も高速研究のデータ採集に使われましたが、1969年にはライトパターソン空軍博物館に
展示される末路をたどりました。 将来を見誤った結果とはいえ、SR-71出現前にマッハ3の
大型機を作り上げたことは偉業といっても良いことで、人類の英知を感じさせる遺産の一つ
だと思います。

 XB-70のキットはAMTから1/72で発売されていましたが、1970年代にサニーから1/300でも発売
されていました。 この金型が韓国アカデミーに渡り、日本に輸入されたものを入手したので
この作品の着工が決まりました。 しかし、実際の製品は劣化コピーというレベルのもので、
普通なら投げ出してしまうようなものです。 それでも今回は外翼可動ギミック作品という目標
があったのでセミスクラッチ覚悟での着工となりました。 この作品の主翼はプラ板を瞬着で
積層して成形しました。

 1/300だとXB-70といえども全長200mm弱の小さな作品です。 問題はどうやって外翼部
を駆動させるか?です。 (真相はこちら

 胴体はキットのパーツを修正して使用しましたが、機首形状は実機のイメージを良く再現できた
と自賛しております。 スジボリは動翼のみの最小限で済ませました。 塗装は全面白で仕上げ、
デカールを貼り付けた後でクリヤートップコートを10回ほど重ね、研ぎ出しをしています。

 アクリルでスタンドを作り、その中にギヤ付きモーター、クランク機構、電池(UM-2x2)、
スライドスイッチを組み込み、本体とはネジで固定しています。 動力は支柱の内部にピアノ線
のロッドが通っていて、これで伝達されます。 このギヤ付きモーターはビデオカメラのガラクタ
から取り出したもので、3Vで丁度良い回転数とトルクを発生し、しかも小型で静かなスグレもの
でした。

 完成した作品はサイズが小さいだけに迫力に欠けますが、デスクトップモデルとしては最適な
サイズです。  外翼を可動させると心は高度18000m、マッハ3の気分です。


                         GALLERYに戻る

inserted by FC2 system