TSR.2  1/72 エアフィックス 2007年7月7日完成


This is the 1/72nd Airfix's TSR.2. It's a big and very beautiful aircraft. I love it !!

The kit is an ambitious piece of work. But not so easy to assemble.

The intakes, main gears and actuaters for airbrakes are weak points of this kit.


The body color is not pure white. I used a CREOS's Mr.Color #107 plus a little dark yellow.

The front view is very unique. But main gears are lack of hardness.

TSR.2 has a long neck. But the radar is too small. And main gear has tandem double tires.

BAC TSR.2は1960年代に英国で開発された攻撃・
偵察機で、当時の最高水準の機体でした。
しかし開発は難航し、開発費の高騰を招き
国防予算削減の標的になってしまいました。
そして1965年にキャンセルされてしまったの
です。

キットは2005年にエアフィックス社から満を
持して発売されたもので、全世界10000個(?)
限定の簡易インジェクションキットです。
同社は非常に長い歴史を持ち、英国を代表する
プラモメーカーでしたが近年業績不振がささや
かれ、このキットが最後の新製品になるのでは
ないか?と言われています。 
自分は購入できなかったのですが、知人が好意
でストックの中の1個を分けてくれたので着工
することができました。
 
仮組み状態でまずその機体の大きさに驚かさ
れるのですが、それ以上にメーカーの熱意が
伝わるようなパーツ群に圧倒されます。

爆弾倉内部や脚収納庫内部も忠実に再現されているのですが、エアブレーキ以外は閉じた状態にする
ことにしました。そうすることで多少でも製作期間を短縮できると思ったからです。 しかし実際に
着工してみると大変な難物キットであることがわかってきました。 まず、インテーク内のダクトが
別パーツで再現されているのは評価できるのですが、インテークパーツとのフィットネスが悪く内部
をパテ修正しなければなりません。 さらにこれを胴体に接着するときも段差とスキマが生じます。 
これもパテ修正しました。 インテークリップは薄く仕上げました。 コクピット内部はほとんど見え
ないので素組みです。 胴体の爆弾倉ドアと脚収納庫ドアは段差やスキマが生じるのでこれもパテ修正
です。 主翼を取り付ける前に胴体のスジボリ修正は済ましておきます。 主翼は前・後縁ともに厚い
ので薄く仕上げました。

 プラ素材が白なので白塗装に都合が良いと考えるのは間違いで、一度グレイサーフェイサーで下地
塗装をします。 細かいキズを消す目的もありますが、隠蔽力が高いのでパテの色も一回で消すこと
ができます。 ホワイトサーフェイサーだと数回重ねなければならず、パネルラインが消えそうに
なります。 また、翼面などの薄い部分で光が透ける現象(おもちゃっぽい印象になる)を防止する
目的もあります。 ボディカラーは実機の当時の写真を見てみると明らかに純白ではなく、やや黄色
いライトグレイです。 これを再現するためにMr.カラー107番(キャラクターホワイト)に39番(ダ
ークイエロー)を少量加えた色を吹き付けました。 さらにエナメルのクリヤーオレンジに黒を加えた
ものでスミ入れ、ウォッシングをすることによって表面のヤニっぽい汚れを表現できました。

 デカールはフィルムの薄い上質なものですが、自分の物は白の版ズレがありました。 ただし幸運
にも白っぽいボディに貼るとほとんどわからなくなりました。

 終盤にまたワナが待っているのですが、まず主脚柱がこの段階で取り付けられません。 収納庫側
のスロットを削り取ってなんとか固定できたのですが、今度はタンデムボギーのタイヤユニットの
取り付けが曖昧でピタリと決まりません。 これは主翼端をすべてのタイヤが接地する高さまでスペ
ーサーで持ち上げて、その状態でユニットをエポキシ接着剤で主脚柱に接着、一晩放置して固定させ
ました。

 長い時間と、苦労を強いられた作品ですが、なんともユニークで美しい機体です。 いわゆる幻の
名機と呼ばれるXB-70バルキリー、CF-105アブロ・アローとTSR.2の3機はいずれも白いボディカラー
というのが奇遇な感じです。

 このキットの評価については「発売されただけでも奇跡」的な雰囲気で、あまり悪い評価を見たこと
がありません。 しかし客観的に言うならば大手メーカーにしてはかなり辛い出来のキットであると
断言します。 おそらく販売されたキットの9割が製作されることなく保管されているのでしょうが、
このキットはそれが正しいのかもしれません。 


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