Su-15TM  1/72 VES 2008年 1月 15日完成


This is my article as 1/72 VES Su-15TM. The master piece of this kit looks quite high quality.

But the terrible technique of injection forming make this kit so sad. Making this kit needs very hard work.

I used quick-grue and jelly-quick-glue as filler. The decals had good quality.

If you don't have patience, you should get and build Trumpeter's 1/72 Su-15TM.


 Su-15は1960年代末から1996年まで旧ソ連-ロシア-ウクライナの防空任務に就いていた迎撃機で、
マッハ2級の性能を持っていました。 ソ連圏外の国には輸出されなかったので、冷戦時には
特に情報の少ない機体でした。 しかしSu-15TMによる大韓航空機の2度にわたる撃墜事件に
よってその存在が大きく報道され、皮肉にもこれが有能な迎撃機であることが実証されたのです。
 キットはロシアのVESというメーカーの簡易インジェクションで、当時珍しいアイテムだった
ので注目されました。 しかしこのキットを購入した多くのモデラーがこれを封印してしまった
と言われるくらい悪名高いキットです。 何が問題か?というと恐ろしく精密に再現された原型を、
最悪の成形技術で製造したキットだからです。 細かく繊細な部品に極太の湯口ゲートがいくつ
もつけられていたり、金型の破損による突起、湯回り不足、金型のズレ、バリなどあらゆる成形
不良を抱えたパーツがギトギトの離型剤にまみれてポリ袋の中に入っているのです。 自分も
最初失敗した(はずれのキット)と思っていましたが、この原型師の執念はなんとか実らせて
やりたいと思い、着工に踏み切りました。

 まず、部品をランナーから切り離す作業に細心の注意が必要です。 湯口ゲートが太いため
無造作にニッパーで切ると、部品が破損する可能性が高いのです。 面倒でもエッチング鋸と
ヤスリで処理した方が無難です。 プラ材質はもろく、スチロール用接着剤や流し込み接着剤
双方共にあまり効かないので、瞬間接着剤を使用しなくてはいけません。 パテもゼリー状
瞬間接着剤です。
 原型は極めて正確・精密で、特に形状を修正すべき点はありません。 ただし金型破損による
突起や型ズレ、バリなどの処理に根気が必要です。 小さな部品は使用をあきらめ、自作した
方が良い場合もあります。 また、表面にびっしり打たれているリベット痕はキープすること
をあきらめ、遠慮なくパテ/サンディングした方が完成への近道です。
 キャノピーは出来が良くないので、できれば別売の製品を使用することを勧めます。 燃料
タンクは自作レジンパーツを使用しました。 ミサイルはキット付属のものを使用しています。
できれば内側パイロン用にR-60もセットしてくれれば良かったのですが・・・。

 胴体の塗装はMr.カラーの銀(8番)をベースに、ノズル周辺がブラス(412番)とクラシック
シルバー(411番)の混色。 やや暗い銀がクラシックシルバー(411番)。 グレーっぽい銀
がバーリーグレイ(334番)と銀(8番)の混色の組み合わせです。

 デカールは印刷が良好ですが、軟化剤が効かないタイプです。 マークセメントで密着させる
とシルバリングも目立たなくなります。

 最終段階で脚柱を胴体に立てる作業で難航しますが、充分に仮組み、調整を済ませればなんとか
なります。

 完成すると、非常に大型でスリムな機体であることに気づきます。 そしてアンバランスな
ほど小さな主翼が特徴です。 昔は最も嫌いな戦闘機だったのですが、好き嫌いで論じなく
なった現在では、この機体も興味深い対象です。 このキットに関しても原型師の情熱に触れた
気がして良い刺激になりました。 問題はモチベーションを維持できるか?ですが・・・。


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