MiG-19S   1/72 KP 2022年3月25日完成


This is the 1/72nd MiG-19S model. The KP Model released the first MiG-19S kit in 70's. But it was very old and shabby kit.

In 2019, the KP model released MiG-19 kit again by new tool. I made this new kit. I expected that this kit must be so nice kit. But this kit was not so nice.

The whole shape and panel lines are correct. But not easy to assemble by many problems. Especially the interior of cockpit is terrible.

Also detailed information of assemble the landing gears are not shown on instruction sheet. This instruction sheet is not friendly.

The film of decal was very weak. I coated liquid decal over the decal sheet. Also the paste of decal sheet was weak. I applied them by another paste.

This model has nice shape. But making this kit is very hard.


 
ミグ19は世界で2番目の実用超音速戦闘機で、1950年代に旧ソ連軍に配備されました。 その後中国やチェコスロバキアでもライセンス生産され、
全世界で累計9,500機程度生産されました。 一部の国では現在も運用されています。 機体は前作ミグ17の通常進化版で、エンジンパワーを上げて更に
主翼の後退角を強めて高速性能を向上させたものです。 

 今回着工したキットはチェコのKPという老舗プラモメーカーの製品で、1970年代に発売された旧製品を2019年にリメイクしたものです。 旧製品が
あまりにも旧態然とした内容だったので今回のリメイク製品は多いに期待が持てました。 これを確認すべく今回着工したものです。 結論を先に言えば
このキットは外形はいいのですが、スムーズに作れません。 商品としての詰めが甘すぎる気がします。 キットの特徴を以下に列挙します。
@外形は正確。 リサーチが行き届いており感心する。
Aパネルラインも図面通りで正確。 スジボリによる再現だが非常に繊細で、場所によっては消えかかっている。
Bダボは一切無い。
C主翼の取付はガタガタ。 水平尾翼は水平にならない。
D部品に型ズレやバリはほとんどない。 一部の部品にはヒケがある。
Eコクピットと座席の再現がまったくダメ。
Fテイルヘビーなので必ず機首におもりを入れる。
G脚扉とタイヤの再現はすばらしいが、脚柱はイマイチ。 部品によって再現レベルが大きく異なる。
H主脚柱の取付は不明確・不安定だし、作動筒はそのままでは取り付けられない。
I組立説明図は非常に不明確で低レベル。 一部の部品の取付け指示は完全に忘れられている。
Jデカールはフィルムが薄く、糊も弱い。

製作は機首内側に風路兼コクピットを組み込むことから始めますが、ムダに分割されていて組み辛い印象です。 しかもそのままでは胴体内に収まらない
ので削る必要があります。 この際に機首の空きスペースに鉛板おもりとタングステンねんどを仕込んでおきます。 胴体を貼り合わせるときはダボが無い
のでズレないように注意して接着します。 接着ライン付近のパネルラインは消えかかっているので可能な限り彫り直しました。 コクピットをチェックすると
フロアが低すぎ、これに合わせて座席も背が高すぎでした。 また適正な位置に座席を設置すると座席後方の空間がガラガラになることがわかりました。
サイドパネルの再現も悪いのでコクピットは完全に作り直しました。 できればレジン製のコクピットセットを使いたかったところです。 パイロットは付属し
ませんが、自前のレジン製60年代風ソ連パイロットを搭乗させました。 
主翼は上下貼り合わせで、エッジはシャープです。 細部の再現は良いですが、主脚収納庫内の再現はなぜかダルいです。 主翼と胴体の結合は
ガタガタなので下反角に注意して固定します。 当然隙間ができるのでエポキシ接着剤を充填しました。 水平尾翼もシャープに成型されていますが、
胴体にフィットしません。 胴体側のVミゾを大きく削って解消できましたが、今度は水平になりません。 仕方なく強制的に水平にして生じた隙間にまた
エポキシ接着剤を充填しました。 テイルコーン部品には大きなヒケがありますのでパテ修正しました。 排気口は良い出来です。 主翼上のフェンス
は良くできていますが、所定の位置にうまくフィットしません。 接着部分を薄く削って更にすり合わせが必要です。 ロケット弾のパイロンはダボ穴が
無いので図面を見て位置を決め、塗装を剥がしてベタ付けしました。 燃料タンクの取付はダボがありますが、穴が小さい上に浅いのでピンバイスで
開口し直しました。 脚柱取付けの穴も全て開け直しました。 主脚柱は後ろに傾いた状態で固定しなければならないのですが、その指示が無く、実際に
その角度も決まりません。 とにかく適切な角度で接着して固定してしまい、それから作動筒を接着することになります。 その作動筒は主翼下面と干渉
してうまく組み付けられませんので、いろいろ調整して取付けました。 主脚扉の主脚柱への取付けの指示もあいまいですが、なんとか理解して接着
しました。 しかし主翼下面に接着する扉の取付け指示が組説からヌケているのです。 これは実機の画像資料を見て解決しましたが憤慨もののミスです。 
たくさんの冷却エアスクープを胴体表面に貼り付けることになりますが、バリが無いのが幸いしてそれほど苦ではありません。
 塗装は銀塗装にするので表面のキズやザラ付きを解消してから薄くサーフェイサーを吹き付けます。 厚く吹き付けると繊細なパネルラインが埋まって
しまうので要注意です。 再度表面に#1000以上のペーパーをかけ、キズとザラつきを無くします。 その後シルバー(Mr.カラー8番)を吹き付けて乾燥後
トーンの異なる銀を数種類筆塗りしました。 ミグ19の場合、チタンのパネルは外側に使っていないのであまりシルバーのトーンの違いは目立ちません。
 スミ入れを施してからキット付属のデカールを貼り付けました。 しかしKPのデカールはフィルムが薄く、ピンセットでつまむと切れてしまいます。 そこで
使用前のデカール表面にリキッドデカールを塗って補強しました。 この時代の旧ソ連機は国籍マークと機体番号だけでコーションマーク類はほとんど
ありません。 これはシンプルでありがたいです。 機首両側の大きなグレイ部分は耐熱塗料が塗られており、この作品ではグレイで塗装したベタデカール
を貼り付けています。 トップコートはしませんでした。
 最終段階で別売の機関砲マズルに交換しました。 30mm機関砲のマズルは3Dプリンター製で中空です。 そのためピンセットで強く握ると潰れたり、
折れたりします。 実際に折れて面倒なことになったので内部に伸ばしランナーを挿入して補強しました。 ピトー管はキットオリジナルのものの方が細く、
真鍮製の部品を差し込むことができなかったので使用できませんでした。 最終的に細部の塗装をして完成です。



 このキットは見かけとは異なり実態はかなり手強い内容でした。 この理不尽な難しさは昔のOEZの1/48 MiG-21を作ったときの感触に近いです。
この東欧キットの独特な不親切感はいまだに健在なんですね。 最近のKPのキットは他にも在庫しているのですが、覚悟して着工しなければいけない
ようです。 個人的にミグ19という機体は謎の機体で、側面を見る限り双発であることが信じられませんでした。 また55度という強い後退翼も個性的で、
一度は作ってみたい機体だったわけです。 理不尽な苦労を強いられましたが、なんとか完成できたので良しとしましょう。

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