F-5F   1/72 イタレリ 2017年10月07日完成


I made this Italeri's old F-5F kit. This is first(and only one in 1/72 scale) F-5F kit released in 1983.

The outline is good but it is 70's style. I reshaped the nose, vertical fin, LERX and more.

The marking is present FAM(Mexican Air Force) style. I used the Aztec decal(
D-059 Twin F-5F Tiger II FAM) for this model.

But this decal had a problem. The additional decal for vertical fin was useless. Because the ink was dissolved in water.

Though another regular decal had nice quality. They were decolated to my F-5F model nicely.


 F-5E/Fタイガー戦闘機は前作F-5A/Bからの進化版で、低価格と低運用コストを維持したままパワーアップした機体でした。
特にレーダーを装備した意義は大きく、現在も現役で多数の機体が防空任務に就いているほか、アメリカ軍でも仮想敵機
として重宝されています。 ただ、機体の老朽化は避けがたく、後継機の選定が急務なのですが好適な機体が見つからない
のが現状です。 

 世界中で使用されているにもかかわらずF-5シリーズはやはりマイナーな機体で、決定版と言えるキットに恵まれていません。
1/72スケールのF-5Eは1982年頃にイタレリから初めてキット化され、直後にエアフィックスもキット化しました。 しかし当時の
キットはパネルラインが凸というのが世界標準であり、その意味では両社とも同じような出来でした。 2011年にはホビーボス
からも新金型でキット化されましたが、これはイタレリのスジボリ改修版というべきもので、オリジナルの欠点を引き継ぎ、なんの
アップデートもされていませんでした。 今回製作したイタレリのF-5FはF-5E発売後間もなくして発売された複座型で、複座型
もすぐに発売するイタレリの伝統のような産物です。 機体外形は概ね正確ですが実機の近代化改修前の姿であり、現用機
の姿を再現するためには多数の改造が必要です。 また、細くて複雑な断面の胴体にボカシ塗装をするのも容易なことでは
なく、着工を躊躇する要因になっています。 とはいえ、いつまでも死蔵状態にしておくわけにもいかないので思い切って着工
することにしました。

 着工するにあたり、まずはF-5Fのデカールを入手しなければいけませんでした。 当時のイタレリのデカールは使い物に
ならないからです。 これはメキシコAztec社の製品を入手できたことによって解決しました。 このデカールはメキシコ空軍
のスペマー仕様で、垂直尾翼のフルカラーマーキングはカラーレーザープリンターによる印刷のようです。



機体はメキシコ空軍機のF-5FタイガーIII仕様で、改造ポイントをまとめました。
a.パイロットは自家製レジンパーツを使用する。
b.座席はヘッドレスト部分を改造して使用する。
c.後部座席周辺の作りが雑なので作り直す。
d.ノーズをシャークノーズ形状に改造する。
e.右側機関砲をダミー(冷却空気インレット)に変更する。
f.LERXをF-20タイガーシャークと同様の形状にする。
g.インテークのスプリッターベーン形状を修正する。
h.胴体横の補助インテークを再現する。
i.垂直尾翼前方の増積部分を再現する。
j.パネルラインをスジボリにする。
k.各種アンテナをタイガーIII仕様に変更する。
このキットにこれだけの改造をするのは余程の想い入れが無いとできないでしょう。

塗装はベトナム迷彩のオーバーオールで、デカールに付属する塗装図に従っています。 しかし小さな機体に複雑なパタ
ーンをエアブラシで吹き付けるのは容易ではなく、一色を胴体上面・主翼上面・機首・下面の4回に分けて吹きつけました。 
これを3色分繰り返すので12回に分けたことになります。 おかげでタイトなボカシで塗装できました。 それにしても手間が
かかるキットです。

Aztecのデカールでトラブルが発生しました。 垂直尾翼全体を覆うフルカラーのデカールは前述のとおりカラーレーザー
プリンターで印刷した簡易なものですが、このインクが水に溶けてしまったのです。 またベースフィルムも食品用ラップの
ようなもので、まったく使えません。 このためスペマーは諦め、通常のマーキングで仕上げることにしました。 Aztecの
通常のデカールは適度な厚さのフィルムで軟化剤も効きます。 印刷・発色とも良好ですが、シルバリングが発生しやすい
ので、リキッドデカールでコーティングするなどして対策しました。

キット購入後35年越しに完成させたわけですが、製作は苦労の連続だったうえに、デカールのトラブルも重なって挫折する
ところでした。 それでもなんとか完成させ、密度感のある作品に仕上がり満足しています。 F-5は好きな機種の一つなので、
各社のキットで単座型を作り比べたいですね。


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