F-16XL Demo 1/72 LoneStar 2008年12月28日完成


I built this F-16XL from Hasegawa's kit with my original resin parts.

This fuselage and wings are casted in one piece. The decal is printed by Micro Dry Printer.

Intake and landing gear, wheels, doors, canopy are imported from Hasegawa's kit.


The pilot is my original rejin parts. The weapons are from my junk box.


 F-16Aの1号機が初飛行した直後からGD社ではこの機体の発展型の研究に取り組んでいました。
これは搭載量の大幅な増加と超音速巡航性能を狙ったもので、NASAとの協力でクランクド・
アロー翼という形態の主翼が採用されました。 当時アメリカ空軍はF-111の後継機を探している
タイミングであり、これにF-16XLはF-15Eと共にエントリーしましたが、空軍はF-15Eを採用し
F-16XLは敗北しました。 その後2機作られたF-16XLはNASAに移管され、現在もなお実験母機
として活躍しています。

 F-16XLの魅力はなんといっても大胆に改造された主翼で、マニアなら一度は作ってみたい機体
でした。 しかし、すべてのスケールを通じて決定版的なキットが無く、レジンパーツを購入して
作るか、セミスクラッチで作る以外に方法はありませんでした。 自分もF-16XLがロールアウト
した直後にスクラッチして作ったことがありますが、当時の情報量で作った作品なので当然細部が
異なります。 しかし現在ネットを通じて細部の形状がわかるようになったので、再び作ること
にしました。 しかもこれを原型にしてレジンパーツとして販売する計画を立てました。

 従来のF-16XLの改造パーツを調査してみると、ほとんどの商品の主翼と胴体が別パーツでした。
これが組み立てる上で面倒な雰囲気なので今回はこれを一体成形し、成形が難しいインテークは
ハセガワのキットを利用するというコンセプトで着工しました。

 まず必要なのが正確な図面ですが、これは古い雑誌に掲載されていたものをベースにして修正を
加え使用しました。 胴体はハセガワF-16Aをストレッチしたもので、主翼はプラ板の積層です。
主翼と胴体の連結部分の微妙な曲面処理は大変苦労しました。 また、削っているうちに積層した
プラ板が剥離してしまうことも多々あり、途中で製作テンションが下がることも・・・。
 さらにレジンパーツの原型であることも製作上のネックになり、ダボを埋め込んだり、ダボ穴
の位置に凹みをつけたりと、煩わしいことだらけです。 しかし、苦労した甲斐があって複製の
出来は上々でした。
 本来ならばこの後、組み立て、塗装・・・となるのですが、商品なのでデカールを作らなければ
なりません。 画像資料を分析してロゴマークなどのデータをイラストレータで作り、これをMD
デカールの技術で定評のあるksinさんに発注しました。 出来上がったデカールはドットの無い
超精密なもので大満足の逸品でした。 ただしMDデカールの特性上の問題で、エナメルシンナー
に弱いことに注意しなければなりません。 うっかりデカールを貼り付けたあとにスミ入れを
したらインクが剥げそうになりました。 スミ入れやウォッシングはデカール前に済ましておき
ましょう。
 話は前後しますが、試作品を組み立ててわかった事が2つあります。1つはハセガワのノズル
がF100-PW-100エンジンのものに似ていないうえに、レジン製胴体とフィットしないことです。
そのため某社のノズルをコピーして商品にセットすることにしました。 この作品ではハセガワ
のノズルを使用しています。 もう一つは若干テイルヘビーであったことです。 これはインテ
ーク内部におもりを入れておけば解決するはずです。

 塗装はサーフェイサーを吹き付けたあと、通常のF-16と同じ塗装手順です。 背部の青いパターン
はデカールです。 垂直尾翼の3色は塗装で再現しなければなりませんが、クレオスのGX塗料
がおすすめです。 隠ぺい力が強いので塗膜が薄く済み、時間も節約できます。

 兵装はMk.82爆弾12個、AIM-120ミサイル4発、AIM-9Lミサイル2発です。 Mk.82はエアクラフト
ウェポンセットから調達しました。 ほかはジャンクパーツです。

 着工以来半年で完成という苦労した作品ですが、やはり完成後の姿は格別ですね。 しかも
デカール、塗装図、組立説明書、ボックスアートといったものまで自作することになって良い
体験でした。 作品と商品では苦労もまったく違うという教訓でした。

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