F-16D block52+ 1/72 ハセガワ 2007年09月02日完成


I built this F-16D block52+ from Hasegawa's kit with my original resin parts.

The HAF F-16D have dorsal spine and CFTs. I made these parts with resin. The pattern inside of jet
nozzle is printed rabel.


The AIM-120, GBU-12 and LANTIRN pods are imported from Hasegawa's aircraft weapons set.


Two pilots are my original resin parts. This falcon is so fat. But interesting raptor.


F-16は当初軽量戦闘機として開発されたものの次第に重装備な機体に発展していき、最終的にこの
ような姿に到達しました。 スマート爆弾の進歩で効率的な爆撃ができるようになると、爆弾を
たくさん携行する必要が無くなり、その分たくさんの燃料を携行できるようになりました。 しかし
空いているパイロン全てに燃料タンクを装備してもまだ離陸重量に余裕があったので、胴体に装着
する燃料タンク:CFT(Conformal Fuel Tank)がイスラエルで開発されました。
一方、機体任務の多様化で電子機器が増加し、機内に収容できなくなりました。 そこで背面に
ドーサルスパインと呼ばれるスペースが増設され、ここに電子機器が収納されるようになりました。
このドーサルスパインは複座型だけに対応していますが、CFTは単座と複座両方に装備できます。

このように魔改造とでもいうべき醜悪なスタイルのF-16なのですがマニアの心をくすぐる機体で
あり、これを手軽に作るためのサポートという目的でドーサルスパインとCFTをレジンで製造、
販売したのが2007年2月でした。しかし実際の製作見本を作っていなかったので急遽着工となりました。

今回の作品はギリシャ空軍のF-16D Block52+で予備知識が必要です。 エンジンはF100-PW-229で、
インテークは従来サイズのものを選択します。 ノズルはドンピシャなものがないので、初期の
機体に使用されていたもので我慢します。 インテーク横の編隊灯は独特な形状をしています。
キャノピー前にはIFFアンテナを追加します。 キットの機関砲口は昔のままなのでパテとピンバイス、
針ヤスリを駆使して修正します。 翼端ランチャーはAIM-120搭載にあわせてLAU-129A/Aに交換
します。 このランチャーはハセガワのエアクラフトウェポンセットVに入っています。
LANTIRNポッド、GBU-12爆弾、AIM-120対空ミサイルもエアクラフトウェポンセットからのチョイス
です。 パイロットフィギュアは自作のレジンパーツです。
問題のドーサルスパインとCFTはエポキシ接着剤で接着しましたが、硬化中はクランプで押さえて
胴体との密着に注意しました。

ギリシャ空軍機の塗装はアメリカ海軍のF-16Nと基本的には同じなので、塗料と迷彩パターンはハセ
ガワF-16Nの説明図を参考にしています。 ただし、異なる部分もあるので要注意です。
実機の画像を見ればわかりますが、とにかく実機は「汚い」です。 おそらく一度も洗っていない
のでしょう。 それはそれでウェザリングの腕の見せ所なのですが、1/72スケールではシンドイ
のでウォッシングで表現しました。 これでも実機に比べてかなり控えめなのですが、あまり汚い
のも作品として見た場合どうか?という疑問がありましたので、このくらいで止めておきました。

国籍マークのデカールはイタレリのミラージュ2000から流用したもので、シリアルはジャンク
デカールの組み合わせです。 トップコートはクレオスのスーパークリヤ−(ツヤ消し)に少量の
黒を混ぜ、ツヤを整えると同時に全体を汚れた感じにしました。
ノズルの内部は焦げたセラミックパネルなのですが、これを塗装で再現するのは困難なので実写
パターンをラベルに印刷し、ノズル内部に貼り付けました。 最後に自作ピトー管を固定し、アク
セサリーパーツを接着すれば完成です。

できあがって見ると本当に魔改造というイメージがぴったりで、ちょっとブルーな気分にさせて
くれる機体でした。

かつての軽快でスマートなイメージのYF-16からは想像もできない変貌を遂げたF-16ですが、まだ
まだその進歩は止まっていません。 本国アメリカ空軍の発注はF-35に切り替わりますが、これ
からF-16を採用する空軍も潜在的にあり、今後50年程度は世界中で飛び続けるでしょう。



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