AH-64A 1/72 エッシー 2018年03月16日完成


This time I made the old ESCI's AH-64A kit. This kit was released in 1988 with new tool. But this is rare kit now.

Its details are better than Italeri's kit. But the canopy parts is terrible with its bad clarity. Also it has big gap.


I used the Opal film at TADS. It shows nice effect. Also I added some steps on the fuselage.

The IR jammer is wrapped around with Opal film. The handles on canopy door are made from staples.

The paint is called 'Halo Drab'. This color is added 30% black to normal Olive Drab.

The decal has hard film. A
pplying this decal well is difficult. I used paste, softener and liquid film.


 AH-64Aアパッチはいわずと知れた現代を代表する攻撃ヘリコプターです。 アメリカ陸軍では1984年から運用
が始まり、1991年の湾岸戦争でその能力を発揮し高い評価を受けました。 アメリカ陸軍ではまだ現役であり、
発展型のAH-64Dを含めたくさんの国々がアパッチを運用しています。


 AH-64Aのキットは1980年代に各社から発売され、このエッシーのキットはイタレリと同じ1988年です。 しかし
この年エッシーは新製品を乱発し、その多くが他社のキットのコピーだったため大きく評価を落とし、1990年代
初頭に倒産してしまいました。 同社の多くの金型はアーテルが引き取り、一部はイタレリに流れました。 
この1/72 AH-64Aのキットはまったくのオリジナルキットであったにもかかわらず短期間の販売に終わり、その後
amt/ERRTLが細々と自社ブランドで販売したのみでした。 結果的にこのキットはレアアイテムになり、その評価
も不明なものでした。 そこでこのキットを実際に作り、実態を確認してみることにしました。 使用したキット
は以前に作ったハインドの片割れで、amt/ERTL名義です。

 簡単にエッシーのアパッチの特徴をイタレリ製品と比較してみます。
・パネルラインは凹ライン。 イタレリは凸ライン
・胴体両サイドのバルジが別パーツであり、D型へのアップデートを意識していた。
・主脚柱がバルジ内から出ており組み立てにくい。 胴体下のプレートと共にイタレリのパーツを利用した方が良い。
・細部の再現は全般にエッシーの方が勝る。
・キャノピーは開状態がデフォルト。 これを閉状態にすると厄介な問題が明らかになる。
・コクピットはデカール仕上げ。 座席を含め全般に成形がダルく、昔のエアフィックスを連想させる。
・風防パーツの透明度が非常に悪く昔のKP並み。 イタレリのパーツとの互換性は無い。
・ヒケ、段差、バリが多く、それらの処理に苦労する。
・嵌め合わせ精度が悪いなど雑な部分が多いので、事前の仮組みとすり合わせが必要。
・デカールの品質は当時のイタレリと同じであり、シルバリングが発生しやすい欠点がある。

上記のように忍耐を要するキットですがディティールアップが反映される素材であり、イタレリよりも良い作品
になるポテンシャルを秘めています。 
 製作はまずコクピットからで、それなりに凝った出来です。 内部はただの黒ではなくMr.カラー116番(RLM66
ブラックグレー)を塗っています。 座席はキット付属のものにシートベルトを追加しており、パイロットは乗せ
ていません。 キャノピーは再研磨して使い、閉状態にして生じるスキマはパテで埋めました。 胴体との隙間も
シムやエポキシ接着剤で埋めました。 ローターハブ、マスト、その基部の出来はいいですが、その周辺の胴体側
が実機とちょっと異なっているので修正しました。 ローター直後のIRジャマーのキラキラは目立つ部分なので
オーロラシートを巻き付けて再現しました。 オーロラシートは自作ルアーやネイルアートの部品として入手でき
ます。 胴体下面のヒケと段差の修正は主脚柱が邪魔で厄介ですが、忍耐でやり遂げました。 尾部のチャフディ
スペンサーはイタレリのパーツを利用しています。 胴体各所のタラップなどを自作・追加しました。 機首のTADS
センサーは窓の中を掘り込みセンサーを再現、UVレジンを充填してオーロラシートでフタをしました。 30mmチェー
ンガンは非常に繊細な部品で構成されているので注意深く組み立てます。 武装はロケット弾ポッドとヘルファイア
ミサイル8発です。 ロケット弾ポッドは変な形状なのでイタレリの武装パーツセットを使っています。 しかし
これも出来が良くないのでパテで修正しています。 ヘルファイアミサイルはランチャーも含めて良い出来なので
すが、組み立てはフィンを削らないとうまく収まりません。 スタブウィングは実機よりもかなり薄い出来なので
すがそのまま使っています。 ただしパイロンの結合がうまくいかないので、すり合わせが必要です。 実機の
翼端灯は透明な大きめなものなので、UVレジンで作り直しています。



 塗装はヘイロードラブと呼ばれる暗めのオリーブドラブの単色吹き付けです。 この色はMr.カラー12番に30%
程度の黒を混ぜて作ります。 通常のオリーブドラブよりも明らかに実機のイメージに近いです。
 デカールはフィルムが硬い厄介なもので、シルバリング無しで貼り付けるにはノウハウが必要です。 以下に
その手順を示します。
1.貼る場所にデカール糊を塗っておく。
2.デカールを貼り付け、軽く余分な水分をティッシュペーパーで吸い取る。
3.すぐにデカール軟化剤(強力タイプ)を塗る。
4.表面の軟化剤が乾いたらシルバリングが発生する前にリキッドデカールで厚めにコーティングする。
5.更にその日のうちにトップコートをする。

 スミ入れをしたあとにデカール部分のみトップコートを施せば完成です。 ヘリのキットは細部のディティール
アップで見栄えがしますのでやり甲斐があります。 特に今回オーロラシートを使用したことにより、印象が良く
なりました。 ちょっと苦労するエッシーのアパッチですが仕上がりは上出来です。 イタレリのキットも持って
いるのですが、これを作ることは無いでしょう。
 

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