AH-1T  1/72 イタレリ 2008年04月11日完成


This is the 1/72nd scaled Italeri's AH-1T. The total impression of this kit is "Passable".

The fitness of canopy is poor. And decal is terrible. I can't apply them better.

Two pilots are my original resin parts.
I added the IR-jammer by my self.


 コブラシリーズ4機目は海兵隊のAH-1Tです。 この機体はそれまでのAH-1J
エンジンを強化し、さらに対戦車ミサイルTOWを運用できるようにしたものです。
外見的には以下のような違いがあります。
・ローターブレードの大型化
・後部胴体の新規開発。
・機首にTSUを追加。
・スタブウィングにTOWランチャーを搭載。
しかし、この機体はその後に登場するAH-1Wまでの過渡的な存在で、わずかに57機
が生産されたのみでした。 実際、この機体の画像資料は圧倒的に少なく、良い図面も
なかなか見つかりませんでした。 画像資料を比較してもアンテナの位置が異なっていた
り、赤外線ジャマーが付いていたり、無かったりと非常に混乱させられました。 これは
運用期間中に改修作業が実施されたためのようです。

 キットはイタレリで、AH-1Wのパーツ替えでAH-1Tを再現させようとしています。
しかし、中部胴体のパネルラインがAH-1Wのままなので注意が必要です。 全般のデッ
サンとリサーチは今までのM社、F社よりも格段に良く、スジボリでないのが惜しい点です。
とはいえ問題が無いわけではなく、キャノピーと胴体のフィッティングの悪さには泣かさ
れます。 キャノピーの下側の枠の太さが左右で同じという点もミスです。正確には下の
画像を参照してください。


それからエンジンナセル部分の吸気口は素通しで、上の画像のように向こうが見えてしま
います。 これは胴体を貼り合わせる前に塞ぐべきでした。 TOWランチャーのパーツ
B42には前後があり、これを間違えて組み立てるとあとでスタブウィングに変な角度で
固定されることになりますので要注意です。 内側パイロンB50も取り付け位置が決ま
っておらず、画像資料を参考に中央に取り付けるとロケット弾ポッドとTOWランチャー
が干渉してしまいます。 中央よりも内側にパイロンを接着しましょう。
 今回の作品はパネルラインをスジボリに改め、コクピット内部のディティールアップ、
赤外線ジャマーの追加などの改造をしています。
 
 塗装は3色の迷彩で、これは80年代に施されたものです。 塗料はMr.カラーの308、
309、33の組み合わせで、ピッタリな色調だと思います。 塗装作業は浮かしマスキングと
エアブラシの組み合わせで、タイトなボカシに心がけました。

 付属のデカールもこのキットの難点で、フィルムが硬くて馴染まないしシルバリング
が発生しやすい問題があります。 しかもデカール軟化剤も効きません。 このデカールを
貼るときはフィルム裏面の白い糊を筆で洗い落とし、別売のデカール糊を使用します。
貼り付けたら綿棒で余分な糊を吸い取り、すぐにリキッドデカールでたっぷりコーティング
します。 そうすれば多少のシルバリング対策になりますが、実際にはシルバリングが発生
してしまいました。 やはり別売デカールを探して使用した方が良いのでしょうが、マイナー
な機種なのでほとんど発売されていないようです。

 最後にキャノピーのマスキングを剥がしてみたら、内側が曇っていました。 この現象は
エナメル系の溶剤ガスが透明パーツを曇らせるからだそうで、塗装が完全に乾燥する前に
キャノピーを接着したことに原因があるようです。 また、キャノピー内側を研磨したこと
も曇りの原因のようです。 コクピット内部のディティールアップに凝ったので、これには
ガッカリです。 それでもゴチャゴチャした機体にドロドロ迷彩がマッチしてカッコイイ
コブラです。 次のコブラは陸軍型のAH-1Fです。


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