A-4M   1/72 イタレリ 2022年4月14日完成


This is the 1/72nd A-4M model. The Italeri released this kit in 1983. But this kit was not popular, because it had some problems.

One of problems was raised panel lines. I cut them all and engraved again. Another problem was normal inlets. Inlets for A-4M is enlarged.

I put epoxy puty at outside of inlet and reshaped it. Also enlarged the lip. And one more problem was inside of inlet. There were no partitions. I made it by myself.

The front gear didn't have steering system. I replaced it to Fujimi's parts. The air refueling probe was replaced to metal parts.

I used the Micro Scale Decal for this model. But its film was aged terribly. I had to use the liquid decal to assist weak film.

It needed much effort to make this kit. But the model has very nice looking.

A-4Mは海兵隊のA-4Fの発展型で、エンジンを強化するなど改良が加えられたモデルです。 外見的には大きくなったキャノピー、角ばった垂直尾翼端、
やや拡大されたインテークなどが変化したポイントです。 

 キットは1983年にイタレリから発売されたもので、当時としては標準的な凸パネルラインの製品でした。 1/72のスケールのA-4Mとしてはマッチボックス
のキットに次ぐ製品で、完全スジボリのフジミのA-4シリーズが1987年に発売されたわけですから人気のない製品でした。 実際に部品状態でチェックしても
インテークに問題があるほか、主翼のスジボリが大変そうなので多くのモデラーが敬遠するのも理解できます。 ただし、プロポーションの良さはフジミの
製品に勝ると確信したので苦労を承知で着工することにしました。 
このイタレリのキットの特徴をまとめました。
@外形は正確。
Aパネルラインは凸。 彫り直す際にラインの修正もしておく。
Bインテークは拡大されていない。 また内側の隔壁が無い。
C機首部分の小インレットは形状が間違っている。
D機首と尾部のアンテナ類は成形が甘い。
E前脚柱にステアリング機構が無い。
F武装パーツが貧弱。(燃料タンク1本とロケット弾ポッド2個のみ)




 製作はコクピットから始めます。 座席はバスタブと一体ですが、自作レジン製パイロット人形を乗せるし、小さなキャノピー越しに内部はほとんど見えない
のでそのまま使い、ディティールアップもしませんでした。 ただし、座席のフェイスカーテンハンドルとHUDのガラスは追加しています。 機首スペースには
尻餅防止用のおもりをセットしておきました。 胴体を貼り合わせたら機首と尾部、背部のアンテナ類を削り落とし、接着ラインを整形しました。 機首の小
インレットは形状が間違っているのでクサビ状になるように修正します。(A) 尾部のチャフ/フレア放出器も作り直しました。(B) 水平尾翼取り付け部分はパネル
1枚分厚いので、カッティングシートを貼って再現しました。 問題のインテークは内側を0.5mm厚のプラ板で塞ぎ(C)、外側にエポキシパテを盛り付けて整形
しました。(D) インテークリップは拡大しておきます。 主翼はスジボリ以外に問題は無いのですが、余裕があれば翼端灯を透明化した方が良いです。 今回
は完全に失念していました。 そのスジボリは多数の楕円を彫刻するのがネックなわけですが、これはケガキ針とテンプレートで根気強くやり遂げました。
胴体側のスジボリも済ましたら主翼を胴体と結合させ、胴体下面の段差を修正します。 その後除去したアンテナ類を全て作り直して復元させます。(E)

 塗装は標準的なガルグレイ/白の組み合わせなので胴体上面はグレイサーフェイサー、下面は白サーフェイサーで下塗りしておきました。 本塗装は
浮かしマスキングとプロスプレーの組み合わせで吹き付けました。 塗料はMr.カラ−11番と316番です。 ラダーの黄/赤の塗り分けは筆塗りです。
インテークリップは内側もマスキングして赤で塗装しています。
 
 マーキングは1970年代のVMA-311所属機をマイクロスケールデカールを使って再現しました。 このデカールが落とし穴で、フィルムが経年劣化して
いました。 そのためリキッドデカールでフィルムを補強してから使用しました。 また、このデカールの対応キットがマッチボックスであり、一部のマーキング
がイタレリのキットにマッチしませんでした。 想定外に苦労させられましたが、半ツヤでトップコートすれば仕上がりは良好です。

 最終段階で小物パーツ類を接着します。 前述のとおりキットの前脚柱は使えないので、代わりにフジミのキットから部品を流用しました。 オードナンス
は中央にキット付属の燃料タンク、内側パイロンにフジミのズーニロケット弾ポッド、外側パイロンにAGM-45シュライクミサイルを搭載させました。 シュラ
イクミサイル用のパイロンはイタレリOA-4Mから流用しました。 キット付属の空中給油パイプは型ズレが酷かったのでプラ棒で作り直し、先端はメタル
パーツを使っています。(F) 機関砲は真鍮線とパイプで作り直しています。(G) その他小アンテナとピトー管を接着して完成です。

 イタレリのA-4スカイホークはキチンと作ればスタイルが良く、密度感のある作品に仕上がります。 いままで多数のスカイホークを作っているのですが、
米軍機は初めてでした。 魅力的なデカールがあり、それを使って作品化することをずっと夢見ていたわけで、今回の製作は気合が入りました。 同時に
反省点もありますので、次回のスカイホーク製作時にリベンジしたいと思います。


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