型取り編 4.上型作業
 上型作業はバリアコートの塗布から始めます。
前述のとおり、バリアコートは上型のシリコンゴムが下型に
くっついてしまわないようにコーティングする役目のもので、
なにも専用のものを購入するまでもありません。 専用のバ
リヤコートを使用したこともあるのですが、酢酸ビニール系
の接着剤を薄めたようなもので、それほど性能が良いもの
ではありません。  今回私が使用したのは左の写真に示す
ワックスブルーで、筆で塗ると速乾でワックスの皮膜ができ
るものです。  二度塗りする必要もなく、すぐれものです。
ただ、需要が無いせいか最近では入手が難しい状況にあり
ます。

 そのワックスブルーをゴム表面に筆塗りします。 このとき
絶対に原型に付着しないように注意します。  もしも付着し
たら、綿棒などで拭き取ります。

 囲いをつけなおします。

 流し込んだシリコンゴムの圧力で囲いが膨らみ、ゴムが漏
れる可能性があるので、ねんどで囲いを押さえます。

混合したシリコンゴムを下型同様に流し込みます。
もし、古いシリコンゴムの型やかけらがあったら、小さく切って
新しいシリコンゴムと一緒に投入することもできます。  こう
すると、新しいシリコンゴムを更に節約できるし、リサイクル
という面でも意義のあることです。 (注:同じ製品のシリコン
ゴムを投入しないと膨張率の差で製品が変形することがあり
ます。)

 エアブローで気泡を取り除き、囲いよりも一回り小さく切った
ベニヤ板をゴム表面に半分程度埋め込んで、このまま硬化
させます。



 シリコンゴムが硬化したら静かに型を引き剥がします。
バリヤコートがうまく機能していれば難なく剥がすことができ
ます。

 型の境界面に堰、空気抜きミゾ、注入口をカッターできざん
でいきます。

 左の写真に示すように、空気の溜まりそうなところに空気
抜きミゾをつけていきます。 これで一応完成です。



                        

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