金型と異なり、シリコンゴム型は柔軟であるため少々無理のある形状でも再現できます。 しかし、
ゴムに負担をかけてしまうことになり、破損の原因になります。 型の寿命を延ばすためにも原型の
工夫が必要であることを知っておきましょう。 以下に代表的なケースを紹介します。
原型にオーバーハングしたへこみがある場合。
飛行機のコクピットや脚収納部がこのケースに相当します。 このような
場合、型取りすることも困難で、ゴムがひきちぎれてしまいます。
従って下のようにバスタブ型にテーパーのついたへこみにする必要があり
ます。
原型に垂直な深い穴がある場合
車輪の軸穴などがこのケースに相当します。 原型から型取りはできる
かもしれませんが、レジンで複製を繰り返しているうちに早々にゴムがひき
ちぎれてしまいます。
対策として穴を浅くして、やはりテーパーをつけるべきです。
原型の表面に小さな突起がある場合
例えば、飛行機の背中にあるブレードアンテナを胴体と一体化した原型を
作ったとします。 ゴム型は問題なくできますが、レジンはうまく入り込めず
に結局のところ成形不良を連発します。 原因は空気がうまく抜けないためで、
あきらめて別部品とするべきでしょう。
原型の表面に鋭角のミゾがある場合。
飛行機のラダーやフラップのミゾがこれに相当します。 複製を続けていく
うちに早々にゴムが痛み、破損してしまいます。
対策としてミゾの底が鋭角の谷にならないように、瞬間接着剤を流し込んだ
り、サーフェイサーを吹いておきましょう。