原型編 2.部品の分割
 プラモデルやガレージキットを見てわかるとおり、キットは
いくつかの部品で構成されています。 部品でこまかく分割
されているのはそれなりの理由がありますが、金型で成形
できる形状の制限及びディティールの再現という問題に密接
にかかわってます。  ゴム型は金型よりも柔軟で、成形で
きる部品の形状の制限は緩和されるので、ある程度一体化
した部品構成を実現できるものの、型のサイズを考慮したり、
製造時の都合などで別パーツ化した方が良い場合があるの
です。  

 たとえば上の写真で示すミラージュIIIEのガレージキットは胴体、左右インテーク、垂直尾翼、ジェットノズル
の6個の部品で構成されています。  通常のプラモデルならば胴体と主翼だけで5点の部品になるはずですが、
この場合一体化しています。 これははヒケの少ないレジンの特性のおかげです。 やろうと思えば垂直尾翼も
一緒にできるのですが、ゴム型が大きくなりすぎるのであきらめました。  また、インテークを胴体と一体に
することも考えましたが、よせ型という少々面倒な手法を用いなければならないので、これも別部品にしました。 
ノズルやパイロン、増槽などは作り手の選択の余地のあるところなので別パーツにすべきところでしょう。
 ところで、プラモデルのレビューでは部品同士の合わせが
チェック対象になりますが、これが原型を作る時点で運命づ
けられるのは当然のことで、スキマや段差の少ない部品を作
るのは大変なことだと思い知らされます。  このミラージュIII
の場合インテークがその例で、レジンで製造した部品同士を
接着したときにピタリとハマるように原型を作るのは極めて
ストレスのたまる作業でした。 (それでもスキマと段差だらけ
でしたが。)
 また、部品同士の位置決めのためにダボやベロといった
ものも原型に付けなくてはなりません。  原型の段階でガタ
ガタだったり、うまく収まらないのでは問題です。

 単独の部品ならともかく、複数の部品を組み合わせるガレージキットの原型をつくるのは結構大変なこと
なのです。 しかし、ガレージキットメーカーがたくさん存在する事実からもわかるとおり、うまくいけば労力が
報われるのが魅力です。
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